2015年12月31日木曜日

2015年のまとめ



普段は全くブログを書いていないのですが、少し前に弊社役員の +Yorihiko Katou さんより催促されたこともありまして、催促内容とは全然異なるのですが、簡単に2015年の振り返りをしようと思います。

■各Qごとの総括:

2015年は本当に激動の年で、個人的に最も学びの大きな1年となった。
失敗したこと、苦しかったことが圧倒的に多かったが、4Q(10月〜12月)で会社が一気に変わり、2016年に向けての手応えを感じることができた。


1Q
インドネシア展開のため、現地スタッフの採用とサービス開始を行った。
サービスも順調に伸びており、資金調達や採用活動の仕込みに集中できた。

2Q
大幅増員。
ベトナムでサービス開始。
KLab社らから資金調達を実施し、オフィスもマカティからBGCにあるKLab Cyscorpions社内へと移転。

3Q
フィリピン最大手キャリア、Smart社の子会社であるVoyager社との提携完了。
一方でサービス改善に奮闘するも成果が出ず、それに応じて組織内部の問題が多発。
意思決定が遅れ、自分自身がボトルネックに。

4Q
組織体制、開発プロセスの大幅な変更を実施。
ネガティブな空気が流れていた社内の空気も驚くほどポジティブに改善。
開発速度が劇的に変わり、KPIも3ヶ月で急成長。
ベトナムの売上も急増したが、それ以上にインドネシアが飛躍的に成長。


----

いま振り返ると、特に3Qで自分が悩んでいた時間が、経営者として致命的でした。
自分の中では答えは出ていたのに、最後の最後まで悩んでしまい、重要な決断を下す覚悟を持てなかったことが会社を停滞させました。

メンバーに対してもかなり不安にさせてしまいましたが、結論を伝えたあと、みんな「それでいいと思います」「やったりましょう」と、背中を押してくれたことが、本当に心強く感じました。

フィリピン人、インドネシア人、ベトナム人、日本人と多国籍なチームですが、みんな会社を信じて頑張ってくれました。いまのメンバーに恵まれて本当によかった、と、心から思います。そして、このチームなら、もっとサービスを伸ばすことができる、もっと強いチームをつくることができる、そう確信しています。

みんな、本当にありがとう。


2015年はサービスの品質改善やチーム力の強化に集中していたため我慢の時期が長かったですが、2016年1月からさらにメンバーも増え、4Qの手応えをさらにテコ入れし、2016年は大きな数字を作っていきます。

来期も引き続きよろしくお願いいたします。


2015年5月29日金曜日

【ご報告】資金調達を完了しました



ご無沙汰しています。
フィリピンはそろそろ雨季のシーズンで、少しずつ涼しくなってきました。
(とはいえまだ30度くらいありますが)


以前「1.3億円の資金調達と、これからの話」というタイトルでご報告してから
ちょうど1年が経ちましたが、本日、更なる飛躍のために、
KLab Global社、グリーベンチャーズ社、個人投資家を引受先として
第三者割当増資を行いました。(詳細はこちら

記事にもしていただきました。ありがとうございます!

東南アジア向けモバイル報酬プラットフォーム「PopSlide」のYOYOホールディングスが、KLab Globalやグリーベンチャーズらから数億円を資金調達(The Bridge)

“日本発東南アジア”でリワード広告を展開するYOYOが資金調達、インド進出も視野に(Tech Crunch)

東南アジアを攻めるYOYOがKLAB GLOBAL・グリーベンチャーズから資金調達(TechWave)


前回以上の大きな金額となり、新たなステージに進みます。

我々のメインオフィスはフィリピン・マニラなのですが、
資金調達によって更に事業展開のスピードを上げるだけでなく、
マニラで最も注目を集めているIT企業であるKLab社のサービス開発拠点、
KLab Cyscorpions社からも多くのサポートをいただく予定です。

システム開発のリソース提供といった技術支援、
マニラの中でも一等地であるフォート・ボニファシオ地区へのオフィス移転、
無料朝食&昼食などの様々な福利厚生サービスなどに加え、
KLab Cyscorpions社の代表取締役社長である野口太郎さんに取締役として就任いただき、
豊富なグローバル・ビジネスの経験や長年のフィリピンにおけるマネジメント経験から
多面的に経営支援をいただくことになりました。


1年前は7人だったメンバーも25名まで成長し、
フィリピン、インドネシア、ベトナム、インド、日本と
アジア各国にチームがある状態まで育ちました。

いろんな言語や文化が交じり合っていますが、
みんなと一緒に働いていてとても気持ちがよく、
すごく仲がいいチームだなぁー、と思います。

メンバーと遠く離れていたとしても、
社内ではSlackやSqwiggleがあれば遠隔でも快適なコミュニケーションができますし、
取引先や面接、経営会議などはSkypeを通じて簡単にできます。


インターネットって本当に便利だなと。

そのインターネットがもたらす豊かさや便利さ、楽しさを、
もっと人々に届けたいな、と。


チームYOYOは「モバイルインターネットを新興国の人々に」という想いを持っており、
ミッションに共感いただいた世界中の人々から、たくさん応募いただけるようになりました。

世界の3分の2はまだインターネットにアクセスできない人々で、
40億人以上がオフラインの中、生活しています。

そのオフラインな人々に対してサービスを届けたい!って思って動いているチームは、
YOYOのPopSlide以外だと、
Googleが行っているloon projectか、
マーク・ザッカーバーグのinternet.orgか、
だと思っていて、
彼らと私たちは問題を解決するアプローチこそ違えど、
世界中の人々の暮らしを豊かにしていきたい、という思いは同じだと思っており、
これからも一層サービスを拡大していきたいと思っています。


ちょうど本日開催されていたGoogle I/O 2015でも、
新興国向けに多くの改善が発表されていました。
オフライン環境でもGoogle Mapが使いやすくなったり、YouTubeが楽しめたり、
2G環境でも快適にブラウジングできるようになったり。

新興国のモバイル領域は、テクノロジー、ビジネス、の両面で、
まだまだ大きなチャレンジがたくさんあります。

現地特有の技術的な課題は、ひとくせもふたくせもある状態で、
難関な問題に挑戦したいエンジニアを、国籍問わず大募集しております。

インターネットを自由に使える喜びを世界中の人々に届けていきましょう!

YOYOは今年がまさに第二創業期。
多くの人からのご連絡をお待ちしています!







2015年2月18日水曜日

【ご報告】インドネシアで本格稼働開始しました!



本日、プレスリリースも配信したのですが、
モバイルインターネット無料化アプリ「PopSlide」、
インドネシアでサービス開始しました!

他にもいろいろとアップデートが重なりましたので、こちらでもご報告します。


PopSlide、インドネシアでサービス開始しました


今年頭から本格的に準備を始めていたインドネシア展開ですが、
本日サービス公開の準備が整い、Google Playに配信開始することができました。
フィリピンで公開してから半年間、細かいチューニングを続けてきていたこともあり、
ユーザーの反応も非常によく、フィリピン以上の手応えを感じています。

今後はさらに展開速度を広げるべく、
東南アジア・南アジアの新興国を攻めていきたいと思います。
http://www.popslide.me/


弊社サービスの会員数が100万人を突破しました

(映画)ソーシャル・ネットワークより

CandyとPopSlideの会員数が100万人という大台に到達していました。
映画のようにお祝いできたらよかったのですが、タイミングを逃しました。
今後はPopSlideインドネシアも加わり、より早く成長していくと思います。



会社ページを新しくしました



http://yoyo-holdings.com/

弊社は広報担当者もおらず、ホームページの更新も全くしていなかったのですが、
このタイミングでようやくPopSlideの情報など追加することができました!
ちょっとずつ改修・更新もしていきます!



モバイルインターネットを新興国の人々に、というビジョンのもと、
引き続きモバイル通信料をユーザーに提供し続けていきたいと思います。



2015年1月1日木曜日

2014年に注目を集めたフィリピンスタートアップのまとめ

どこにニーズあるの、、、というテーマですが、
フィリピン・マニラでスタートアップしている立場にいますので、
日本語でまとめてみたいと思います。

※本当は東南アジア新興国の主要なスタートアップ情報をまとめようとしたのですが、
想像以上に時間がかかりそうだったので、フィリピンだけ。
ASEAN全体については、East Venturesの@obnty 君がブログでまとめてくれると期待しています。
※情報ソースはほとんどTechinAsiaです。

IPOしたスタートアップ
Xurpas


直近で話題になったのは、マニラベースのモバイルコンテンツ(※主にゲーム)を作っているXurpas。

2014年12月にIPOし、その数週間後にシンガポールベースのAltitude Games Pte. Ltdを買収するなど、積極的に動いています。
そもそもフィリピンの株式市場(PSE)に上場している企業数が250社程度しかない中で、
IT企業のXurpasが上場した、ということもあり、こちらの界隈では結構話題になりました。
創業から10年以上、VCからの調達を実施せずのIPO。売上は2013年時点で$4.2Mとのこと。

Straight to IPO: How Philippine tech company Xurpas grew without venture capital
Philippine tech company Xurpas sizzles in market debut
Xurpas buys into Singaporean IT firm
Xurpas to raise P1.4B funds through IPO

資金調達したスタートアップ

ZAP Group


NFCタグを活用し、飲食店などでキャッシュバックを受けることができるZap。
既にKickstart Venturesからシードラウンドを調達済みでしたが、
今年になってさらにSiemer Ventures, Seawood Capitalから追加調達を行いました。既存のKickstart Venturesも追加出資し、合計$850Kの調達。
昨年、実際に使おうとしたら、会員登録でエラーが起きて使えませんでした。
なんでだろう。。

Zap’s ambitious plan to transform retail rewards in the Philippines
Consumer rewards service ZAP secures $850,000 funding, set to expand across Southeast Asia in 2015



Ayannah


モバイル決済、送金サービスのSendahを運営するAyannah。
2013年から合計$3.5M集めているので、フィリピンの中ではかなり巨額を集めているな、という印象。
投資家陣は、IMJ Investment Partners、Beenos、Golden Gate Ventures、GREE Ventures、その他、といった構成。
IMJ、Beenos(旧ネットプライス)、GREEと、日系色が強い印象。
※事業内容的にGMOベンチャーパートナーズが入っていそうだけどな、、と思ったり。

Filipino Gift-remittance Startup Ayannah Gets $1M Angel Round(2013年)
Ayannah Raises $1M To Serve The Philippines’ Rapidly Growing Remittance Market(2014年)
Gree Ventures joins $1.5M fundraising round for Philippine remittance startup(2014年)



ZipMatch


2回目のシードラウンドを2014年8月にクローズした、不動産マーケットプレイスのZipMatch。
今回の調達額は$550K。合計で$1Mの調達をしています。

新規出資したのが、Beenos (旧ネットプライス)、Alps Ventures。
既存投資家による追加出資が、500 StartupsとIMJ Investment Partners。
3月に行われたEchelon Philippines 2014のファイナリストで、
登壇しているスタートアップの中では一番数字が出ていたような印象がありました。
フィリピンの不動産投資もかなり盛り上がっているので、狙っているマーケットは魅力的。

Philippine real estate marketplace can afford a bigger apartment with latest funding round
How one startup raised money on a beach and how you can, too



FourEyes


9月にKickstart Ventures、Wavemaker Partner、Future Now Venturesたちから$350K調達した、
オンラインメガネ販売のFourEyes。OhMyGlassesのフィリピン版です。
彼らもEchelon Philippines 2014のファイナリストしており、2位を受賞していました。
このビジネスはちょっとフィリピンには早すぎるのでは、と思っていたら、シンガポール市場でも11月からサービス開始したようです。

Prescription glasses from S$88? You can now buy them online in Singapore
Four Eyes aims to be Philippines’ Warby Parker, sells cheap prescriptive eyewear online
Four Eyes eyes expansion with $350,000 funding round



Ritmo Learning Lab


Ritmo Learning Labは、音楽を通じたキッズ向け教育アプリ「JoomaJam」を展開しています。
2回目のシードラウンドとして、Kickstart VenturesとProudcloudから$60Kを調達したようです。
ここもEchelon Philippines2014のファイナリスト。

Joomajam is an interactive app that lets bands and singers help in children’s learning



mClinica


フィリピンのモバイル✕ヘルスケア領域で注目されているのが、mClinica。
モバイルを通じて薬局や薬のディストリビューター、患者さんを繋いでいくサービス。
500 Startups、IMJ Investment Partners、Kickstart Venturesから調達。金額は非公開。
市場がかなり大きく、ローカルのネットワークを作っていくには参入障壁が非常に高いため、かなり有望なスタートアップだと思う。
新興国特有の課題や市場構造にあわせたビジネスで、個人的にとても興味深い。
薬局ネットワークはすでに1400を超えており、2000万人以上の顧客と接触できる規模にあるという。
ハーバード大学を卒業した創業者は、ロシュ、ジョンソンアンドジョンソン、ファイザーといったキャリアを進み、起業に至るというピカピカのキャリア。
フィリピンからシンガポールに本社を映し、
今後はインドネシア、ベトナム、タイといった国にも展開予定。

This Harvard graduate’s startup is making a difference in Philippine health care



CashCashPinoy


フィリピン版のグルーポンであるCashCashPinoyが、
2014年11月にシンガポール拠点のHera Capitalから$2Mの調達をしました。
2010年に$4Mの調達をしていたので、フィリピンの中ではかなりキャッシュリッチなスタートアップの一つ。
現在、150万人の会員を有し、平均月間取引数は3.5万回。

CashCashPinoy gets $2M funding for daily deals battle



DragonPay


決済領域に集中して投資をしているGMO Global Payment Fundが2014年11月に出資。
金額は非公表。
EC化がまだまだ進んでいない状態なので、現時点の決済市場はそれほど大きくないと思いますが、
今後は一気に大きくなると思います。

Japanese epayment giant sinks series A funding into Philippines’ Dragonpay
10 Philippine online payment methods for consumers and merchants



PayrollHero


勤怠管理・給与支払いサービスのPayroll Hero。
マニラに拠点がありますが、創業者はカナダ人。
弊社含め、多くのフィリピンスタートアップも導入しています。
Payroll Heroは2013年に500 startupsから$1Mの資金調達をしているので2014年まとめって感じではないのですが、今年になってフィリピンのファミリーマートなど大手企業にどんどん導入しているようで、着実に成長しているイメージ。

Payroll Hero gets USD 1M from 500 Startups, Hootsuite CEO, and others
PayrollHero bags deal with FamilyMart, eyes more big clients by year’s end



(追記)
YOYO Holdings


自薦ですみません。弊社です。
2014年5月に、GREE Ventures, CyberAgent Ventures, Incubate Fundから$1.3Mを調達。
新興国のアンドロイド端末にロックスクリーン広告を配信し、
スライドして解除するとモバイル通信料をチャージすることができる。
Google playに公開後、Lifestyleカテゴリで30日間連続No.1。





上記以外にもビットコインを取り扱うCoins.phや、
Payroll Heroのように2013年に資金調達したLenddo(調達額$6M)、
フィリピンスタートアップ界の雄であるKalibrrなど気になる企業はたくさんありますが、
まず代表的なものをまとめました。

フィリピンのことばかり書いてもニーズないので、今後は他の東南アジアのスタートアップについてもまとめていきます。


(番外)Rocket Internet

ベルリンにあるロケットインターネット本社入り口にて
ドイツ・ベルリンをベースとしている巨人企業のロケットインターネットですが、
2014年にフィリピン最大の通信企業、PLDT(※日本でいうNTT)から
$445Mの巨額出資を受けました。(その後10月にIPO)
ロケットインターネットはLazada, ZaloraといったEC事業をASEAN各国で展開しつつ、
EASY TAXI(タクシー配車)、food panda(デリバリー)、Lamudi(不動産)、、なども展開しており、それぞれの調達額も巨額。

ロケットインターネットについては情報多すぎるので、このくらいで。

PLDT Invests $445M In Rocket Internet To Develop Online Payment Services For Emerging Markets